【ご相談時の状況】
20代・男性のご相談者様(公務員・大阪在住)は、数年前からパチンコや競馬等のギャンブルを始め、次第にのめり込んでいき、収入以上の金額をギャンブルに使われていました。
収入以上の金額をギャンブルに使ったことで、日々の買い物はクレジットカードで行うようになりました。また、現金借入れも行うようになり、借りたお金でもギャンブルをする状態になっていました。
カード払いや返済の金額がだんだんと大きくなっていき、支払いができなくなると、債権者(借入先)から一括で返済するように求められ、どうすることもできない状態になってしまい、弁護士に相談に来られました。このとき、借金額はおよそ450万円になっていました。
【ご依頼後、弁護士の対応】
男性の借金額は約450万円と多額ではありましたが、借金の原因がほとんどギャンブルにあり、自己破産をすることが簡単ではない状況でした。一方、収入は安定してあり、ご自身のご希望としても、自己破産ではなく、返済していく方法をお考えとのことでしたので、弁護士から個人再生手続き(原則として借金額を5分の1に減額できます。ただし、100万円が最低金額となる等のルールがあります。そして、減額した借金を原則3年、最大5年かけて分割で返済していく手続きです。)のご説明をしました。男性も自己破産をしなくて済むことに安心され、個人再生手続きをご依頼いただきました。
個人再生手続きを進めるにあたり、弁護士から以後ギャンブル(その他浪費も含めて)を一切しないように説明し、男性も承諾されました。自己破産手続きの場合と違って、過去のギャンブルや浪費などはあまり問題とされませんが(自己破産手続きの場合は免責不許可事由として問題とされます。)、以後の生活再建、個人再生手続きでの返済計画のために、ギャンブルや浪費行為は止める必要があります。
弁護士は、ご依頼をいただいてすぐに各債権者(借入先)に個人再生の受任通知を送付しました。これにより、債権者から男性に対する取立てや督促が止まり、男性は安心されました。その後、必要書類を集め、打合せを行い、弁護士が裁判所に個人再生手続きの申立てを行いました。
弁護士は借金の原因がギャンブルにあったことも説明しながら、今はギャンブルを止めており、安定した収入もあり、十分、個人再生手続きに基づく返済をすることができることを、男性の家計収支表(家計簿のようなものです。)と照らし合わせながら説明しました。
弁護士が男性と打合せを重ねながら、しっかりとした書類を作成し、裁判所に提出したことで、無事個人再生手続きの開始決定が出されました。その後、弁護士が、男性が個人再生手続きに基づいて、いくらの金額をどのように支払うのかを計算し、裁判所に報告しました(再生計画案、弁済計画)。
最終的に裁判所から再生計画が認可され、認可された再生計画が確定し、男性の借金は減額され、約100万円となりました。そして、男性はひと月あたり約3万円弱の返済をすることになり、返済を始められました。なお、個人再生手続きの多くの場合、圧縮された借金を3か月に1回まとめて返済し、3年間で完済することになります。借金総額【約450万円→約100万円】
【解決のポイント】
男性の借金の原因はパチンコや競馬等のギャンブルにあり、自己破産では大きな問題になる可能性もありましたが、男性に安定した収入があり、個人再生手続きに基づく返済も十分に可能であったこと、自己破産をしたくないとのご本人のご希望もあり、個人再生手続きを選択しました。個人再生手続きは複雑な手続きですが、経験豊富な弁護士が対応し、スムーズに行うことができました。
個人再生手続きでは、自己破産手続きでは免責不許可事由となる浪費やギャンブル等もあまり問題とされませんし(ただし、止める必要はあります。)、任意整理と異なり、借金を大幅に減額した上で返済していくことが可能です。また、個人再生手続きの大きなメリットとして、ご自宅を残すことも可能です。
一方、個人再生手続きでは、継続的に安定した収入が見込まれることが必要であったり、住宅ローンを除いた借金が5000万円以下であること等の条件の他、100万円未満には借金を減額することができない等さまざまなルールがあります。
個人再生手続きは、さまざまな条件やルールがあり、複雑な手続きですが、自己破産や任意整理と比べた場合のメリットも数多くあります。ご事情により異なる部分がありますので、詳しくは、個人再生手続きに詳しい弁護士にお尋ねください。
本件では、個人再生手続きも多数扱ってきた弁護士が対応したことで、無事に個人再生手続きを進めることができました。
借金の返済でお困りの方、借金問題でお悩みの方、大阪・堺市の大小路法律事務所の弁護士は、自己破産・任意整理・個人再生等の手続きの取扱い経験が豊富です。相談は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。